訃報から思い出したことがありました。
はなまるカフェは毎日ゲストが来て、いろいろな話を聞くコーナーです。
ある日、そのゲストに大江健三郎さんがいらしたのです。
どんな話をされたか全く憶えていませんが、いつもとは違う内容の話に聴き入ったと思います。
そして、もう終わる、CMに変わるギリギリに、慌ただしくやっくんが、
「視聴者の皆さんにひと言!」みたいなことを、大江さんにふったのです。
大江さんは、ひと呼吸あってから、はきだすように「もっと魂を磨いてください」とおっしゃった。
あまり記憶力に自信はないのですが、私の記憶が正しければこんなでした。
この言葉に、私はハッ!として自分のこととして捉えました。
当時まだ、テレビでこんな言葉を言う人はいなかったと思います。
小学校低学年の頃、「自分の名前の由来を親に聞いてくる」という宿題がでました。
夕飯の時に父に問うたら、「りかこ=りっぱな・かわいい・こ」になるように、と返ってきました。
子どもながらに、そんな単純な~💧と、深い意味を期待していた私は腑に落ちない思いでしたが、
でも私はこの名前が好きでした。
もう少し成長すると、人は、自分が何者かと考え出す時期がきます。
ある時、そのヒントを名前から探ろうと〈理〉を辞典か何かで調べたら、これには「みちすじをつける」や「魂を磨く」という意味があることが分かりました。〈佳〉には「よい・うつくしい」という意味があり、佳人とは美しい人のことですね。〈子〉は中国では男子につけたが、子どもを意味する。ことなどを知りました。
つまり父が簡単に「りっぱなかわいいこ」と私に話したのは、漢字の深い意味をもって表わしていたのです。
この頃から、私の中では、「魂を磨く」とはどのようなことか・・・と探る旅が始まったように思います。
で、充分大人になったある日、テレビの向こうからの「もっと魂を磨いてください」に大きく反応したのです。
ユーチューブかアーカイブスで、確認したいなあ。
私にしか聞こえてなかったりして。大笑
あと数年で還暦という歳になり、
「魂を磨く」とはどのようなことか、頭の中では分かっています。でも大切なのはそのように生きることで、そう行動できて初めて本当に分かったと言えます。
人は死ぬまで魂を磨き続けて、なんとか自分なりに磨いた玉(魂)を、天に帰って差し出すのだと思います。
がんばりまっす。
大江さんのご本を読みたいな。。
ご冥福をお祈りいたします。
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