先月、そごう美術館で開催されていた篠田桃紅さんの展覧会に行ってきました。
篠田さんがどのような方か、数年前にNHK(だったと思います)の、深夜のドキュメンタリー番組をうつらうつらと、たまたま見ていて少し存じておりました。
「すごい人がいらっしゃるんだな・・・」と印象に残っておりましたが、あまりに凄すぎて、これほど研ぎ澄まされた方の書かれるものを、私なんぞに理解できないだろうと思っていました。
今回は勉強中の博物館の調査が目的だったのですが、このご時世ですから美術館は閉館していたり、予約が必要だったりで、時間ができたからといって、行けるわけではないところ、そごう美術館は開いていて、しかも比較的近いので行ってくることができました。
すでに閉展していますが、
とても素敵でした!
ほんとうに圧倒されました。
特に篠田さんが50代、私の頃に描かれたものが、とてもかっこよくてしびれました。
またこの展覧会が、生前篠田さんが、「字を読むのではなく、字を感じて欲しい」旨のお話をされたことから、すべての作品のタイトルを伏せての展示だったのです。
この試みは、私向けにも成功しており、タイトルやキャプションがないと、作品自体をストレートに感じられます。
これまで観た、どんな巨匠の作品よりも、ストレートに感じることができた展覧会でした。
タイトルを見ない、説明を読まない、つまり何の先入観も手伝いもなく作品を観るっていいんですよ。癖になりそうです。笑
で、すっかり篠田さんの世界に浸った私は、ミュージアムショップで2冊の本を買って帰りました。
そのうちの一冊「桃紅一〇五歳 好きなものと生きる」には、篠田さんのご自宅写真がたくさん載っています。やはりこういった方がどのようなおうちに住んでいらしたか、とても気になります。
選ばれて愛でられた質の良い家具や品々が、整然と、また潔く置かれて、静寂で美しい光景をつくっていて、
篠田さんの作品の印象にも、ご本人から受ける印象にも似て、赴き深い、、、
と、語彙の少ない私には、ありふれた言葉でしか表現できないのがもどかしいです。
今年3月に107歳で亡くなられ、追悼の展覧会がこの後にあちこちで開かれるかもしれませんね。その時にはぜひ行かれて、そしてタイトルなしで作品を感じられてみてください。
それにしても、家と住人はとてもよく似ています!
自分がどんな人間か、家を見れば分かります。
さて、私は今日は引き出しの整理しましょうか・・・(-_-;)
いっぱいいっぱいなんです。私も引き出しも。
笑
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